2026/09/26 14:37

フィンランド北部の北極圏にあたる場所で、森を散策していると、これまで花材として使ってきた「フィンランドモス」が、自生している姿を初めて見ることができました。

日本では「フィンランドモス」「アイスランドモス」などの名前でプリザーブド加工されたものが販売されており、フラワーアレンジメントに使われています。私自身も、これまで何気なく素材として使っていました。
実際に見てみると、思っていたよりずっと小さく、地面に薄く広がるように生えています。

そして、「モス」と呼ばれていますが、植物学的には苔ではありません。代表的なCladonia stellaris(ミヤマハナゴケ)は、菌類と藻類が共生する「地衣類」です。
また、フィンランドの加工業者によると、これは人工栽培ではなく、森に自生するものを手作業で採取して加工されています。

実際にその姿を見たことで、これを花材として大量に採取することが、決して簡単なことではないと実感しました。
ちなみに作品制作時にプリザーブド加工されたものを扱っていると、松葉(日本でよく見かける松葉よりも短いもの)や小さく砕けた葉のようなものが混ざっていることがあります。手作業でひとつずつ取り除いてから使うので手間がかかるな…と思っていましたが、それらがあるような森や茂みなどに自生しているので、納得しました。
十分な大きさに育つまで5〜10年かかるそうです。また、一度にすべてを採取するのではなく、採取した場所は5~8年ほど休ませ、自然に再生する時間を置くそうです。

私たちが「素材」として手に取るものの背景には、長い時間をかけて育つ自然と、それを採取し加工する人たちの仕事があります。
今回の旅で、フィンランドモスを見る目が変わりました。
※自生する地衣類の採取には、地域や土地の規則があります。
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