2024/10/01 23:25
【カマルドリ修道院薬局】
フィレンツェ中心部から車で1時間半ほど。
見渡す限り続く葡萄とオリーブの畑、そして時に対向車とすれ違うのも大変な細い山道を走り、カマルドリ修道院薬局に着きました。
ここは1027年に歴史が始まった「世界最古の修道院薬局」です。
病人を助ける仕事をしている修道士がいて、病人の回復を助けるためのケアを施しており、旅人や巡礼者、地元の病人などを受け入れる病院としての機能を果たしていました。
修道院内には薬草園があって、修道士たちが育て、収穫し、薬効の研究をし、調合した薬を処方していました。
現在は病院としての機能はありませんが、薬局としてそのまま残り、ハーバリストでもある修道士たちは、現在も薬草の研究をし、継承と品質の刷新をおこなっているそうです。
製品は多岐に渡り全てが天然成分に基づき作られており、薬局で販売している石鹸やクリームは敷地内の工場で生産され、オイルは薬局の地下にある研究室で修道士が調合して作っています。
薬局に併設されている部屋では、かつて薬を作っていた道具や古い文献が展示されています。カマルドリのおよそ1,000年にもなる歴史を大まかに知った上でそれらを見ると、非常に感慨深いものがあります。
私が購入した「31ハーブオイル」は、中世から続く伝統的なレシピをもとに、修道士が研究を重ねて生み出したものだそうです。ティートゥリーやユーカリのハーバル感溢れる香りが清々しく、肌馴染みの良いオイルでした。
こちらは肌用とのことですが、私はイタリア滞在中に髪に使うことになりました。イタリアは硬水のため、シャンプーすると髪がギシギシになってしまったのです。ごく少量(数滴で十分)を手に取り、髪全体にゆっくりと馴染ませて難を凌ぎました。中世の修道士が21世紀にアジアの片隅から来た人の髪に役立つとは夢にも思わなかったでしょうけれど。
フランスとイタリアの旅を通して、アロマの歴史や、植物の力を研究し、作ること、それを求める人がいることに、少し触れることができました。
遥か昔からの人々と植物の関わりは、専門家たちの伝承と研究という叡智により、多くの人々の心身に良い影響を与えてきたのだと感じました。
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