2024/09/26 11:50
【カラカラ浴場・ネロ浴場】
高校時代に世界史の授業でカラカラ浴場について習った記憶がありますが、日本では何といっても映画「テルマエロマエ」の舞台になったことによって、イメージが定着している人が多いのではないでしょうか。
カラカラ浴場は西暦216年に完成しました。日本でいう卑弥呼の時代です。性別や皮膚の色、貧富にかかわりなく、格安の料金で誰でも入場できたため、毎日賑わっていたそうです。
カラカラ浴場のほかローマ帝国内には約1000もの温浴施設があり、古代ローマの人々にとって、入浴は大切な日課だったようです。
当時は石けんが高価だったこともあり、身体に油を塗り、汚れを銀や青銅などでできた肌かきというものを使って汚れをかき出したそうです。そしてまた入浴後に油を塗ります。
日本人にとって、お風呂で油を身体に塗ることは馴染みがありませんが、ローマの乾燥した空気や強い紫外線から肌を守る役割があるそうです。
ここでいう油とは、オリーブ油・ヒマシ油・ゴマ(セサミ)油・アーモンド油などの植物油です。現在のアロマテラピーでもキャリアオイルとして使われるものですね。裕福な人は、これらの油を基材とした香油を身体に塗っていました。
香油は高価だったそうですが、現代の精油を使用したオイルとは異なります。
バラの香油は、芽を煮詰めて濾したものを油に入れ、乾燥した花びらを加え、蜂蜜を塗った手でかき混ぜて絞ることを繰り返す・・・という工程です。
その他、ヨモギ・ユリ・スイセンなどの香油があったそうです。
またカラカラ浴場ほどの規模はありませんが、それよりも前にあったネロ浴場も訪れました。ピサの斜塔のすぐ近くです。皇帝ネロはバラがとても好きだったようで、バラのお風呂に入り、バラの香油を使っていたそうです。
この圧巻な遺構を見ながら、バラの香りを想像してみると、不釣り合いのような感じがしますが、当時のカラカラ浴場はいま残っているものよりも遥かに装飾的だったことが伺い知ることができるので、興味深いと思いました。
#アロマテラピー #アロマ #イタリア旅行 #ローマ #古代ローマ帝国 #カラカラ浴場 #ネロ浴場 #テルマエロマエ